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グラフィック制作実習「ブックカバーの制作」

 

この実習では、書籍カバー(ブックカバー)のデザインを制作していきます。

チラシやポスターよりも「文字組み」が重要になってくる制作のため「タイポグラフィ」を意識したレイアウトになるように制作してください。

ツールの設定について

今回はDTPの制作実習のため、ツールの基本設定は以下のようにしてください。

  • カラーモード=CMYK
  • ラスタライズ効果(解像度)=300ppi

Photoshop、Illustrator共に、プリセットの「印刷」を選ぶと良いでしょう。

サイズについて

今回の制作では、場所ごとにこれらのサイズで制作していきます。

  • 表紙および裏表紙=幅148mm × 高さ210mm
  • 背表紙=幅15mm × 高さ210mm
  • 折り返し=幅100mm × 高さ210mm

制作する流れとしては、

  • 1つのアートボードでパーツごとに区切る(幅511mm × 高さ210mm)
  • それぞれのパーツでアートボードを用意し、あとで1つに繋げる。

この2通りがありますが、ご自身が制作しやすい方を選んでいただけると良いでしょう。

制作時は余白に注意する

ブックカバーはリーフレットと同様に、折り返す部分があります。

その部分にテキストが入ってしまうと可読性が損なわれてしまうため、画像のピンクの部分を避けてテキストを配置することをおすすめします。

ただし、このように背景色や画像を、デザインとして狙って置く場合はこの限りではありません。

テキストの「アウトライン化」を忘れずに。

DTPでは納品する.aiデータはテキストを「アウトライン化」しておくのが基本です。

アウトライン化しておくことで、納品先が持っているフォント違いによって、全体的なデザインが変わってしまう事故を防ぐことができます。

1.ただしアウトライン化すると元に戻せなくなるため、テキストを編集する可能性がある場合は予めコピーしておくと良いでしょう。

2.コピーができたので、これでアウトライン化をしてもテキストを編集することができます。

3.コピーしたレイヤーは非表示にし、アウトライン化するテキストを選択。

上部メニューの「書式」から「アウトラインを作成」の順にクリックします。

4.テキストがアウトライン化(パス化)されたので、所有フォントの違いによる事故も防げるようになりました。

ただし、テキストが多くなると大変になるため、その場合は.aiファイルごとコピーし、編集用とアウトライン用の2つのファイルを用意しておくと良いでしょう。

画像として書き出す

制作したものは、ポートフォリオに掲載することもできるため、画像(jpg,pngなど)として書き出しておくと良いでしょう。

1.アートボード全体で書き出すため、「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」の順にクリックします。

2.書き出し先のフォルダを設定し、「アートボードごとに作成」のチェックを入れてから「書き出し」をクリックします。

3.ダイアログが出てきますので、「OK」をクリックします。

4.書き出された画像は「名称未設定」となっているので名前を変更しておきましょう。

ブックカバーをデザインする上で意識すること

DTPは設定は同じでも、制作物や目的によって設計が変わってきます。

ブックカバーの場合は、以下の項目を意識してデザインすることで、より魅力的なものになります。

1.シンプルで明確なメッセージを伝える

魅力的なブックカバーデザインは、シンプルで明確なメッセージを伝えることができます。タイトルや著者名が一目で読み取れるように配置し、余分な情報を排除することで、視覚的な騒音を最小限に抑え、本の内容やテーマ性を的確に表現するデザインを作ることができます。

2.フォントの選択に注意する

カバーデザインで使用するフォントは、その本の世界観やジャンルを反映する重要な役割があります。
フォントの種類や大きさ、配置によって、本のイメージやターゲット読者に対する印象が変わるため、タイトルや著者名を際立たせるためには適切なフォントを選ぶことが重要です。

3.目的やターゲット読者を考慮する

ブックカバーデザインは、本の目的やターゲット読者を考慮して作成することが重要です。例えば、教育書の場合はシンプルで明快なデザインが求められますし、ファンタジー小説の場合は魔法的な要素を盛り込むことが適切かもしれません。ターゲット読者の年齢、性別、興味関心などを考慮し、彼らの心を掴むデザインを追求しましょう。

4.カラースキームを適切に選ぶ

カラースキーム(デザインやアートにおける、使用する色の組み合わせ)は、ブックカバーデザインの魅力に大きく影響を与えます。色の組み合わせやトーンを選ぶ際には、本の内容やジャンルに合わせることが重要です。例えば、ロマンス小説では柔らかな色合いや温かみのある色を使用し、サイエンスフィクションではクールな色合いや鮮やかな色を使用することが一般的です。

視覚的なストーリーテリングを活用する

ブックカバーデザインは、本の内容やテーマ、世界観を視覚的に伝える重要な手段です。カバーデザインを使ってストーリーテリング(情報やアイデアを物語のように表現する能力や技術)の要素を組み込み、読者に本の世界観を伝えることができます。キャラクターや象徴的なシンボル、風景などを活用して、読者の興味を引くストーリー性のあるデザインを追求しましょう。

これらの要素を意識しながら作成することで、魅力的なブックカバーデザインを作成することができます。

デザインの創造性とバランスを保ちつつ、読者の興味を引く視覚的な魅力を持つデザインを目指しましょう。

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